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元気をもらう   

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                            (琵琶湖ホテルより湖岸を望む)
思い切り自慢したい仲間を紹介したいと思う。市内の病院検査室で働く仲間数人が集まった、自然と職場のことや、仕事の悩みを話すうちに自分の悩みは一人だけのものではないことに気が付いた。検査室を取り巻く環境が大きく加速度的に変化しつつあった十年前のことである。「検査を考える会」と大層な名前がついた。素敵な花の名前でも付けようよと言いながらそんなセンスもアイデアも出ないままこの名前で続いている。いつまでも元気で働き続けたいと願っている、わずか十人ほどの中年女性の集まりである。
ところがこの仲間達、各職場では、みんなそれぞれ要となって働いている技師ばかりであるから、パワフルであり、誇りも高い。だから、ただ毎日検査を黙ってこなすだけの検査技師たることでは満足していない。不当な労働条件の押し付けや一方的な異動や、仲間の分断、差別の話を聞くと人事とは思えず力が入ってしまい、いつも時間が足りなくなって不完全燃焼が多く、五年前から、年に一回は土日を利用してホテルに泊まり、じっくり朝から晩まで思い切り話すことになっている。
しかし、ここに集まると、日頃の疲れが出てしまい、まずは安心して寝てしまう人もいる。働き続けると言うことは、毎日が緊張の連続なのである。みんな身を持って感じながら、職場のこと、家のこと、子育て、健康のこと、介護の話など悩みを話すと、いつも不思議に元気になって帰るという集いであった。  
みんなは、いったいどんなことを考えて働いているのだろうと市内の病院や検査センターで働く仲間にアンケートをとったり、職場を訪問して実態調査に出かけ、労働条件の勉強や、押し寄せる合理化の波に負けないように話し合った。知識のないことがあれば、法律の専門家を招いたり、自らを化石といっている先輩アドバイザーの講演会も計画した。検査技師として誇りを持って働こうと病院に働く仲間に呼びかけ、話し合い、何が出来るか知恵を出し合い、横のつながりを大事に頑張ってきたと自負しているし、この私たちのささやかな経験は、全国医療研究集会などでも注目され全国に同じような輪が広がっている。
 おりしも、病院検査室の業務委託の攻撃が激しくなり、みんなが不安を覚えながら働いていた。大阪のある病院の技師が検査室が全面的に業務委託される、どうしたらいいかと相談を持ちかけられるとメンバーがさっと集まり、共に闘い方を相談した。人員削減、閉鎖、統廃合、業務委託と、手を変え品を変えて私達技師をとりまく環境は厳しい。そんな中で、一人は京都府下最大の都市の宇治の市会議員に突然立候補し、当選してしまった。市政から、府政、国会へと大きく活躍してくれるかもしれない、会をあげて選挙応援に奔走したことは言うまでもない。

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また、ある時「ねっとわーく京都」という地元の雑誌社のルポライターの取材を受けることになった。二十分か三十分の約束が、みんな喋る喋る、ルポライターの人も熱心に耳を傾けてくれ、数時間に及んだが、さすがプロである数ページに病院検査室の必要性を見事にまとめ、《医療の現場を行く》「試験管のむこうに患者さんが見える」●検査という仕事は今・・・。と言うタイトルがついて発行された。二〇〇二年の六月号であった。
厚生省は院内に検査室を設置しなくても良いという方向に向かっている。病院検査室は、レントゲン室や手術室と同様に自前の検査室として基本的に院内になくてはならないと私たちは考えている。
何故なら、検査室を院外の業者に委託すると言うことは検査を他の業者にまかす、検査に責任を持たない、医療の低下に繋がるのです。院内にあるからこそ私たちには試験管のむこうに患者さんが見えるのです。データーを見ながら必要な検査を追加し、命を救ったと言う経験はたくさん持っているからだ.
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長い間生き生きと働き続けることは大変である、特に女性にとっては困難な方が多いかもしれない。
検査技師には、当直問題、採血問題など、ますます一人では解決できない違法すれすれの行為が横行している。今こそ考える会のような、共に考え共に行動する組織がますます必要となっている。
私は、長い間仕事に生きがいを感じて働いてきた、そして幾度となくくじけそうになりそのたびにこの仲間に勇気をもらった。
退職した今も、まだまだ元気をもらいに行かねばと思っている。

by taizann | 2005-08-12 10:50 | 自分史