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隣に居合わせた幸せ   

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  母がひどく落ち込んでいる。
昔、隣に住んでいたおばちゃんが亡くなったからだ。そんなことから私も過ぎ去った時間を紐解き、もう半世紀も前の田舎の暮らしと、隣近所の営みを懐かしく思い出すことになった。
 私の父は戦後、仕事がなく父の故郷の富山の薬売りを、岩手県の一関市で始めたのであった。
その当時、一関市は二年続いて二つの大きな台風に襲われ、相次いだ水害で多くの人が家を失い、そのために復興住宅が建てられていた。まずその住宅に父は住み、私と母を呼び寄せたのである。私はそこで高校卒業まで過ごした。
みんなが生きることに必死の時代だった。みんなが貧乏な生活をしていた。当然のようにそんな復興住宅には似たような家族が集まり身を寄せあって暮らしていたように思う。

そんな中で、決してお金持ちではないようだが、どことなく気位が高く、一風周りとは違う、子供ながらになんとなくモダンに見える四人家族が隣だった。洋画ばかり見て、一家が話すことは新鮮で、面白く、私と弟はどっちが自分の家なのか境がないくらいの毎日だった。体が弱かった私の母は、病気がちで寝込むことも多く、隣の家にはよく面倒をかけたらしい。

(我が家の駐車場から見える隣の紫陽花)c0072993_1282891.jpg

そこのおじちゃんとおばちゃんには、「やっこピン」「やっこピン」と特別可愛がってもらっていた。ピンはどういう意味かと聞くと「可愛い子にだけつけるピンだよ」と言っていた。「やっこピンのお尻は良いお尻だ」と言い、スケベなおじちゃん」といつも笑い合っていた。
三つ上のみこちゃんは私の憧れで、みこちゃんの使っていたお古の赤いカバンを持って登校するのが私の自慢だった。音楽一家で、みこちゃんは木琴がうまく、今でも「トルコ行進曲」を聴くと、みこちゃんと隣のことを思い出す。

そんな一家がある日突然姿を消した。夜逃げしたのである。おじちゃんは、いわゆる昔の蛇の目傘の商売をしていて、洋傘の普及が原因であった。おばちゃんが先に東京に出て住み込みで働き、あとで一家が続いたのだと聞いた。
夜逃げには、近所の人が荷物を運ぶのを手伝ったとも聞いた。
その後、東京の学校へ入学した私は、嫌で嫌でたまらなかった学校の寮から、毎週毎週土曜日になると、東京の隣の家に遊びに行き、泊まり、月曜日には学校に行くという生活を二年間過ごした。そこでも東京に知り合いもいない私を家族同様に扱ってくれ、それはそれは楽しく、お陰でホームシックにもかからず、無事卒業したのであった。母はこっそり、連絡を取り合っていたのだろう、だから娘が東京に行っても安心していたのかもしれない。
忘れもしない、五反田の高架下に建っていた家はその後の一家の苦労が偲ばれるような家ではあったが、みこちゃんはバイトしながらの国立音大の苦学生で、狭いながらも、ピアノだけはデーンと構えていたのを覚えている。
 京都に来て結婚したころ、おじちゃんが脳梗塞で入院したと聞き、私が主人と駆けつけた時には、おばちゃんが横で「もう、誰もわからないのよ」と言って涙を流していた。「おじちゃん」と言って手を握ると「オーッ・オーッ」と声にならない声を上げ、二人は抱き合って泣いた。きっとわかってくれたに違いない。        
                                (お隣が挿し木用に下さいました)c0072993_12125195.jpg

おじちゃんは、いつも格好つけて気楽に冗談ばかり言っていたが、その横にはいつもニコニコ笑うおばちゃんがいた。息子も若くしてなくし、あの笑い顔の奥には、人知れない苦労があったのかも知れない、そのおばちゃんの思いを、母は共有できるからこそやりきれない思いを巡らせたのであろう。
みこちゃんから、母に「(願わくば花の下にて春死なむ)と西行の歌のように逝きたいと、母はいつもいつも話しておりました。満開となったその日に、桜の花に送られて父のもとに旅立ちました」と手紙が届いた。



人の一生は、名誉、地位、財産などに左右されず、いかに生きるか、いかに一生懸命生きたかで光り輝くように思う。
都会の雑踏が大好きだと言っていたおばちゃんや隣の家族との出会いは、私たち家族にとって、長い人生の横断歩道を、同じ時間、同じ思いで立ち止まり、小走りに、足跡だけを残し、行き過ぎて行った間柄だったのかもしれない。
今振り返ると、あの時代、あの生活だったから、ゆったりとした温もりが感じられるのかもしれない。夢のひとこまのように思える。

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  (一雨ごとに生き返る紫陽花とは対照的な暑がりの我が家の愛犬)

電話で母と遠い昔の短いが懐かしい時代を語り合った。母はいっぱい話ができて、胸のつかえが取れてすっきりしたらしい。   
 

by taizann | 2007-06-20 12:34 | 自分史

藤森神社の紫陽花   

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入梅を待つ紫陽花いろいろ
紫陽花祭りに今年は早めに行って見ました
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紫陽花もなかなか個性豊かです。
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ああー!ちょっと水をくださーい!
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                       ↓私はこれをくださーい。(笑)。
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紫陽花もこれから一雨ごとに美しさを増すことでしょう
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by taizann | 2007-06-11 12:07 | 雑記

私のある一日   

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何も一日でこんなにたくさん・・・
家の梅が小さいけど採れたので、まず梅酒に
去年の梅酒もそのまま、シソ酒もそのままあるので
ちょっとにし、キーウイがあったのでキーウイ酒にしました。
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        これは失敗かも・・・濁ってる?

次はらっきょう漬け、一部をしょうゆ漬けに
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さて次は、箱で買ったトマトをどうしようか・・・
イタリアみたいにドライトマトにしました。
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電子レンジで2.3回水分を飛ばし、そのあと太陽にあて乾燥させると完成!







意外に好評だったのは、これ!
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トマトは皮を湯むきし、ヘタはとり、落し蓋をしながら、
水とうす口しょうゆ、みりんで15分ほど煮て、冷めたら
青シソを散らし冷やして食べる。
暑い日に喉ごしさっぱりと美味しく、お勧めです。

あとは1ケ月前に仕込んだミソをコネコネして今日はおしまい。
主婦の忙しい一日でした。

by taizann | 2007-06-02 23:05 | 旬の香り