山椒を貰いに   

                                      勝山の風景
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               (大師山、九頭竜川を望む弁天楼、越前大仏、五重の塔)

福井県勝山に住む友人が、「早く山椒の実を採りに来ないと硬くなるよ」と嬉しいお誘いを受けて一泊で行って来た。
年がら年中自己流ちりめん山椒を作って、隣近所、親戚、友人などに押し付け、「美味しい」と言ってもらうことを趣味としている私には、メインの山椒の実が貴重なのである。しかし、我が家の山椒の木は一向に大きくならない。
久しぶりに会う友人との積もる話もあり、何はさておいてもこれだけは欠かせない私には一大イベント行事なのだ。
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(京都駅0番ホムは北陸への楽しい出発ホームである)












福井駅まで迎えに行くからと言ってくれるが、福井から勝山までの越前鉄道でトコトコと本を読みながら、目が疲れたら窓の外に目をやる、と、
田んぼには緑の苗が植え終わり、麦が黄金色に収穫を待っている日本の原風景のような田舎を走りぬける。
この小さい電車の、勝山までの、こ一時間も私には楽しみなのである。
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彼女の家は加悦国境の山並みと九頭竜川の流れる雄大な自然の中にある。「今年は3.8豪雪以来の雪でね、ビニールハウスも潰れてしまうし、庭の木も折れたりして大変だった」とご主人は話していた。





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「でも、山椒はある程度の緯度も関係し、適当な寒さも実の辛さに影響するから、ここ勝山の山椒は最高の山椒だと思う」と仰るのだ。

じゃ、私のちりめん山椒はブランドの高級山椒で作っているんだと悦に入ってしまったのだ。「陽は長いからゆっくりして」と言われたが早く、一粒でも多く採りたい欲がでてきた.

家の前を流れる小川の上に突き出した山椒の木は、実をたわわにつけて私たちを待っていた。はしごをかけ、危ない所はご主人が採ってくれ、3人がかりで、私の「ちりめん山椒」はこれで一年分準備万端整った。
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←(グラスには金粉入りワイン、手前にかにサラダ、黒豆、山蕗の千本煮、奥に笹寿司風に見えるのは、かに寿司、ソースカツ、黒米、すべて手作り)









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→(マーガリンを入れて炊いた、ワラビとゼンマイ、彼女のオリジナル料理)




思い切りご馳走しようとずっと台所に立つ彼女の横で山椒の実をほぐしながら、溜まっていたお喋りに花が咲く。ご主人は、ちょっと出かけて行ってわらびや山蕗を採って来る、それを彼女が手際よく料理する。
羨ましいほどの環境と、理想的な間柄と私には映った。
その後、山盛りのご馳走と美味しい焼酎で、夜中まで二人盛り上がったことは言うまでもない。(ご主人は一滴もたしなまれませんのです、ハイ)
その間、捕ってきてくれた蛍が部屋の中を飛び交っていた。

翌日、大きな発泡スチロ-ルに、山菜、黒米、たけのこ、手づくりおかき、などなど詰め込み、宅急便で送ってから、彼女の運転で優雅にドライブである。
晴天に恵まれた、夕方までのドライブの報告は写真でしたいと思います。
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(富山県福光町の光徳寺 棟方志功が滞在し、彼の絵や版画、世界の民芸品が多く陳列されている)



(世界遺産五箇山 合掌造りの菅沼集落)

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人生の中で、本当に心を許せる“友”と言える人は何人いるだろうか。
「出会ってくれてありがとう」

by taizann | 2006-06-17 21:57 | 友だち

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