ノロウイルス感染が一向に衰えない   

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(写真は記事とは関係ありません、昨晩の京都タワーです)

毎日のマスコミ報道でもご存知の様に、ノロウイルスによる感染性胃腸炎が拡大しています。
我が家でも、娘か一番にかかったようで、瞬く間に家中が被害にあいました。それはもう、私はこんなにもひどいものかと驚きました。

大先輩の化石さんから「医療関係者、特に感染防御の専門家である、臨床検査技師の方々、現役であろうと、OB・OGであろうと、あらゆる方法、手段を駆使して啓蒙に努めよ」と指令がありましたので、一応OGとして(?)皆さんに注意を呼びかけます。

ノロウイルスは、昭和43年、米国の小学校で集団発生以来、小型球形ウイルスと呼ばれ、昔からあったものです。
平成14年に正式にノロウイルスと命名されました。

このウイルスの特徴は、感染力が強く、数個から10個程度で感染し発症します。
主に、経口感染ですが、患者の吐物や糞便の不完全な処理により、
乾燥したウイルスが、床や屋絨毯にへばりつき埃となって、空中に、まいあがり、人の口に入り腸で増殖することもあるのです。
人→人、人→器具→人というルートが一般的です。
牡蠣や二枚貝によると断定されてはいません

潜伏期も他の食中毒に比べて短く、半日から2.3日で感染し、発症するようです。
従って対応が十分とれない間に広がる可能性があり、病人、子供、老人には特に注意が必要です。

症状は、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、などですが、経験では横になると、激しく嘔気、下痢に襲われ、一晩中トイレに行かねばならず、寝ていられない状況でした。

治療は、今のところ特効薬はありません。脱水に気をつけ十分な水分を取る、体内の電解質のバランスが崩れるので、スポーツドリンクが良いようです。普通は4.5日でよくなるといわれています。

消毒には、塩素系家庭用消毒剤が有効です。汚物類は、これに15分以上浸し処分します。
生ものを扱った包丁や、まな板などは200倍に希釈した塩素系家庭用消毒剤につけおきします。熱湯消毒は85℃1分以上の加熱で死滅します。
外から帰宅したら、うがいと石鹸による手洗いを流水で洗い流すのが良いでしょう。消毒用アルコール、消毒用ペーパータオルは効果なしです。
症状がよくなっても病人の腸からは、大量にウイルスが排出されますのでしばらく注意が必要です。

免疫が獲得されませんので、何度でもかかります。医師は1ヶ月経過してから、また発症して来る人がいますと言っていました。
現段階ではワクチンも開発されていません。

みなさん、こんな流行には乗らずに元気でお正月を迎えてくださいね。



詳しくは臨床検査の光と影へどうぞ!

by taizann | 2006-12-25 14:46 | 緊急注意

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