旬の香り   

こだわりの味・秋刀魚
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 ふと、何かしら吹く風に秋の気配を感じる頃、「クール宅急便でーす」元気の良い配達のお兄さんの声と共に、我が家にはいっぺんに秋が来る。
 いくら流通機構が発達したと言っても、私は秋刀魚は三陸の秋刀魚と決めている。手がちぎれんばかりの凍り詰めの箱に入った秋刀魚を見て「今年の秋刀魚は大きい、うーん脂が乗っていそう、さあ、今日は秋刀魚づくしにしよう」。

 まず、何匹かを刺身用ににとりかかる。
c0072993_93915.jpg新鮮なものは、三枚におろすのも、いと簡単である。包丁など使わずとも、手で骨がすうっと、はずすことができる。
ここで忘れてはいけない。小骨の多い腹の部分を腹わたも一緒に 切り取り、軽く塩を振り、食べる前にさっと焼いて、すだちでも絞って食べれば、これもまさに通の一品になる。
幼いときには、母に「カルシユウムだよ」と言って残りの骨を火鉢で焼いて食べさせられたものだ。我が家の秋刀魚は、捨てるのは、頭としっぽだけになってしまう。
三枚におろしたものの半量を尻尾から、皮をむいて刺身用に切り、盛り付ける。

残りを秋刀魚の寿司にしよう。
c0072993_9541249.jpg]軽く塩を振り酢につける。秋刀魚は鯖などと違い、身が細く、薄いのであまり酢に漬け過ぎるとカスカスになってしまう、酢飯なので酢に漬けなくても良いくらいだ。酢につけてから、皮をむくのであるが、新しいと皮はむけないことが多い、と言うより皮が溶けてしまうようだ。それに無理しなくても、皮の存在など気にならない。にぎりにしてもよし、棒寿司にしてもよし。
 残りは、明日用に塩をしておいて、焼くのもよし、醤油に漬けておいて、かば焼きにしてもよいだろう、土生姜と煮つけてもよい。
生の新しいものは何にしても美味しい。
昔はおそらく安い魚の代表だった筈で、箱で買ってぬか漬けにして、温かい白飯で食べた〔へしこ〕の、あの美味しかったこと。
さあ、これでできた。
                                 ↓(ここがまた、美味しい腹の部分)
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岩手の弟に「秋刀魚届いたよ、ありがとう、また、送って!」とメールする。


                                      


                                                                       

by taizann | 2007-10-01 10:28 | エッセー

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