僕の独り言
2006年 01月 26日

でも最近はなんだかちょっと不満なんだ。だってここのママさんは、生きがいだった仕事を辞めて、これからは家でゆっくりして僕も遊んでもらえると思っていたら、それ、なんとか教室だ、展覧会だ、とか言って忙しく出かける。もともと家でじっとしている人ではないとは思っていたが、僕はあてが外れて全く面白くない。友達も多く、類は友を呼ぶらしく、みんなそれぞれ趣味に忙しい人ばかりで、その付き合いも大変なようだ。
ママさんは、書道家だったおじいさんを尊敬しているらしく、墨のにおいは心が落ち着くとか言って時々筆を持っているようだ。

去年の三月から始めたブログというものに嵌っているようで、エッセーと、下手なデジカメの写真とでそれなりのページを作って更新しているようで、ブログの女王なんておだてる人もいるものだから調子にのっている。そんなママさんの毎日を見ていると「たかがブログ、されどブログ」じゃあないかと思う。もっと人様の作品に目をやったり、たくさんの小説を読んだりしないと良いエッセーは書けないよ、と忠告してやりたいものだ。
僕が見ているところでは、ここの夫婦は、
お互いを干渉しないと言うことをモットーとしているようだが、本当はそうでもないようだ。パパさんは、定年を前に、通勤に片道二時間以上かかる職場で、重職にあって休みも取れないから、好きな外国旅行も行けず、合唱団も名前だけの団長で練習に行く暇もないようだ。精神的にも余裕のない毎日が続き、だいぶストレスが溜まっているのではないかとみんなで心配している。
お姉ちゃんも、三交代の仕事で、僕が起きているときは、寝てることが多いし、遊びに行ったら帰りは遅いしいつもいない。お兄ちゃんの方も僕のことなんか滅多に相手してくれないが、バロニーを甘やかしすぎだといつも怒っている。でも、僕にとっては飼い主のご主人様だから、一応一目置いている。
こんなわけで、ここのみなさん人のことなど、かまっておられない事情のようだが、まあ人生は短いのだから、元気で自由に好きなことを伸び伸びとやれるのが理想的だとは思うけど、僕も家族の一員だということを忘れてはいませんか。
「遊んで」「相手してほしい」と吠えると「うるさい、近所迷惑や」と言ってすぐ怒られるし、僕との散歩も、どうも自分の運動不足解消のように思えてしょうがないのだ。

「今年は戌年、バロニーの出番だ」と言うが、どれほど出番を作ってくれるのやら、お正月も、三段重ねのおせち料理をいただいたらしいけど、僕の口に入ったのは「バロニーには味が濃い」とか言って、赤いかまぼこ一切れだけだよ。いつもドックフードだからたまにパパさんの好きなテールスープのテールなんかを貰うともう、嬉しくて嬉しくていつまでもお皿をなめていて笑われている。あれは僕の大好物なんだ。でも最近下の歯が一本抜けてしまって、好物のテールも以前のようにバリバリと豪快に噛めなくなってしまった。それに、今年の寒さは堪える、外に出るのおっくうになって、家の中にばかりいると自分のことより家族の行動が目に付くようになって、気になってしょうがない。
僕もつくづく歳をとってしまったと思うこのごろなのである。
▲ by taizann | 2006-01-26 09:25 | エッセー